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タグ別アーカイブ: Streamliner

Honda Bonneville Challenge 2016 ①

2020/5/27

もう4年近く経ちますが、2016年にHondaの研究所が行った、ボンネビル最高速チャレンジを振り返ってみます。

 

当時ブログに書かなかったのは、リアルタイムで外部契約者の私が何か発言することで、気づかぬ所で何か炎上してもいけないと思い自粛していた訳ですが、今なら大丈夫という何の根拠もない、なんとなく大丈夫かなという、コロナ感染対策の外出自粛のような気分です。

 

コーディネーターならではの、俯瞰から見た当時の様子や個人的感想も含めて、とは言っても機密契約をしていましたので、その辺は注意してお話します。

 

2008年まで、Honda R&D Americas 2輪部門の勤務していましたが、80年代からロードレースが大好きだった私は、レース関係の仕事もさせてもらっていました。

渡米前は、当時人気爆発だったMFJ主催のロードレース地方選手権に参戦していたこともあり、夢の様な仕事でした。

 

退社後8年が経ったある日、90年代からお世話になっている宮城光氏から連絡をもらい、ボンネビル・チャレンジのコーディネーターの打診を頂きました。
ホンダとの契約も無事済み、参加手続き、米国でのテスト場手配、その他諸々の手配をする運びに…

 

車の仕立てには、HPD(Honda Performance Development)と言う、主にインディーカーのエンジン開発~メンテナンスを行っている、ロサンゼルス郊外の施設が拠点になりました。

レース車両、機材の開梱からなのですが、車はスペアも含め2台、その他機材がコンテナ2本分という、流石メーカーと言うレベル。
久々の”仕事”としてのレース環境に、ワクワクが止まりません。

 

それに、ドライバーは個人的にも25年以上のお付き合いもありますが、そもそも80年代のロードレース全盛期からのファンの一人でもあり、そりゃ~やる気出ますよ!

 

エントリーしたのは、ストリームライナーのJ/BFSクラスと言い、ストリームライナー最小排気量です。
J/BFSとは、JクラスBlown (ターボ)、Fuel(アルコール又はニトロメタン)、 Streamliner(ストリームライナー)という意味。

 

エンジンは、かなり手が入っているターボ仕様ですが、排気量は市販のS660ccのまま。(出力詳細は失念)
シャーシからハニカム・カーボンボディーまで、全て内作。
かなりの調査をして組まれたんでしょうが、初挑戦で世界記録狙いですから流石です。

 

因みに、このクラスの全米記録は、266.561mph(約426.498km/h)
Rick Yaccucciというドライバーが出した記録ですが、エンジンはSuzukiの隼を半分に切った2気筒だったそうです。
本人曰く、振動が凄くて大変だったとの事。
エンジンを半分に切って排気量をレギュレーション内に収めようって、どうかしてます!笑

ドライバーの宮城氏と主催者代表のMike Cook氏

カリフォルニアの拠点からボンネビルまでは、片道約650マイル(1000km)13時間の旅です。

 

地図では、ノンストップで10時間弱の表示ですが、実際は給油や休憩も入りますから、平均時速50マイル(80km)が一般的なので、650マイルx2=13時間ですね。

モーターホームとは言え、市街地以外はクルーズコントロールで走れますから、ほぼ予想通りに進むことが出来ます。

大型トラック3台(コンテナ3本)は先行で出発。
スタッフは飛行機移動。
私は、ドライバーの滞在場所としてモーターホームを運転しての一人旅

 

各グループ毎に、ボンネビル・スピードウィークの事前テスト(Test & Tune)に向けて移動です。

LAを夕方出発したので、途中1泊です。

 

行けるところまで行って、眠くなったら寝るという、至福のドライブ。

 

結局、ラスベガスを通過して、一瞬アリゾナ州を通過するんですけど、フリーウェイ沿いにRVパークがあったので、ここで寝ました。

 

夜中だったので、オフィスは閉まっていますが、代金は備え付けの封筒に現金か小切手、またはクレジットカード情報を書いて投函すればOK。
ただ、夏場は受付の照明に虫がわんさか集まっている事もあるので、その場合は翌朝精算します。笑

翌朝は、既に出発してしまった人も多かったですが、こんな感じでガラガラです。

 

費用は一般的で、電源水道付きで$35でした。
一昔前は$20台だったので、かなり上がってるな…

今日は、夕方の現地下見に間に合えば良いので、逆算して9時頃出発。

アリゾナからユタ州に入るところにある岩山セクションですが、ここは明るい時間帯に通過するのがお勧め。
いつ通っても、テンション上がります。

 

インターステート15号(I-15)ではなく、裏道ルートを選択。

 

途中、何もない所に一軒だけガソリンスタンドと、修理工場があったので、ホットドッグと手作りのポテトで昼食。

 

30年前のツーリングを思い出しつつ、のんびり進みます。

予定通り、夕方ボンネビルに到着。

 

明日からの準備に向けて、場所やコース状況の確認。
30年前にもバイクで来たけど、それ以来なので改めて感動です。

塩が付着してますが、これでもマシな方

コース外の表面はこんな感じ

改めて写真を探していると、当時の事を克明に思い出して、ちょっと鳥肌が立ちますね。 笑

気になるコースコンディションは、湿気を多く含んでいて、かなりベタついていました。
歩くと、靴裏に塩が大量に張り付く感じ。

テスト&チューンは4日間あるので、その間に乾いてくれればいいんですけどね。

と言うわけで、次回につづく…

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